2021年3月6日

利用者と良好な人間関係を構築することは、介護の仕事で重要です。要介護者にとって日常生活の介助を他人から受けるということは、自身のことを隅々まで知られるような気分になるので、プライバシーをさらけ出しても信頼できる人物でないと安心できないと思ってしまうからです。したがって、介護職は、利用者一人ひとりの心理きちんとを理解した上で、人間関係を築いていくための努力をする必要があります。

そこでまず抑えておきたいのが、共感的理解です。これは、利用者を取り巻くあらゆる生活環境や社会状況を把握し、利用者の気持ちに寄り添いながら、生活を支える姿勢のことをいいます。マズローの欲求5段階説によると、人間の基本的欲求には、「安全と安定の欲求」「愛や所属集団の欲求」「自尊心や他者からの尊敬の欲求」があるとされています。しかし、これらの欲求は、どれも他者からの共感なくしては成立しません。ですから、介護職が利用者と信頼関係を結ぶためには、共感的理解によって基本的欲求を充たすことがポイントになるのです。

それからもう1つ大切なことは、自己開示をすることです。介護職の場合には、短時間で利用者と人間関係を構築しなければなりません。そのためには、まず自分自身の情報を小出しにして、相手に安心してもらうことも大切です。ただし、自己開示とは、単なる自己紹介ではありません。開示すべき情報量や内容は、相手の反応を見ながら適切に伝えることが求められます。そのため、普段から自分についての情報を整理し、相手に自分のことをシンプルに伝えられるようにしておくことが大前提となります。